琵琶湖周遊街道シリーズ その2
 開催日  2019年11月23日(日)     
 集合場所  JR湖西線 「小野」駅 9時45分 
 コース  「小野」駅~アトリエ見学~小野三神社~雄松が崎~「近江舞子」駅  
 歩行距離    およそ16km  
 行程  10時05分「小野」駅出発 10時30分 アトリエ 
12時00分 小野神社  13時00分ころ昼食  14時10分 ヤギさんに遭遇 15時05分「近江舞子」駅  
昼食  和邇(わに)中浜で弁当 近江舞子水泳場の白砂青松

    

   道中記 (小野三神社を近江の人と)
 

 1「小野」駅~アトリエ
 今回の歩くやつは、報告者の高校時代の友人で、彫刻家であるNIさんの特別参加を得て、「小野」駅周辺の神社巡りから始まりました。
 小野と言えば、NHKで志の輔や鶴瓶などの落語家を手玉に取っているアナウンサーとか、東京やローマオリンピックの体操選手などが浮かびます。
 が、西暦617年に初の遣隋使として海を渡った小野妹子、10世紀の筆の名手小野道風、さらに地獄で閻魔大王の受付係になったという小野篁や世界3大美人の小野小町などという人物の苗字です。実は、彼らはすべてこの小野の出身者なのだとNIさんに教えてもらいました

そういうNIさんは、日展に9回連続で入選している彫刻家で「小野」駅から徒歩15分ほどのところにアトリエを構えています。それは行かねばと街道歩きはアトリエ探訪から始まりました。
 「小野」駅周辺の京阪電鉄主導で開発された住宅地の一角、琵琶湖を見下ろす高台にある住宅のガレージ部分、が彼の彫刻創作のアトリエでした。日展入賞作や、彫刻材料や道具が所狭しと置かれている様子は、まさしく芸術家の棲み処、の風格を漂わせていました。急なお願いにもかかわらず制作の現場をのぞかせてくれありがとう。

 2 アトリエ~小野神社
  街道歩きは、小野妹子神社神社訪問から始まりました。
 古墳に隣接してる神社で、本殿の後ろには飛鳥の石舞台と同じような岩の墓。小野氏系図だと、妹子は敏達天皇の二代下の世代ということで蘇我入鹿と同じ世代らしいです。今は苔むしていますが、小野は石舞台と同じような墓を作ることの出来る実力者の王国の首都だったらしいです。

神社を下り昭和の農村風景の中を歩くこと5分位、小野道風神社に到着しました。小野道風は九世紀から十世紀の人なので存在を実感できます。社殿は重要文化財です。ただ、賽銭箱からは硬貨が覗いており、放水機などの設備はあるものの穏やかな雰囲気の神社でした。

三カ所目が小野神社、ちょうど新嘗祭が行われており、拝殿前で宮司さんのお話の最中だったので階段下で引き返しましたが、小野篁や小野小町などが祀られている神社だそうです。社務所で留守番をしていた地元のおばさんに無料の地図をもらい、またどうぞと言われましたが、もう来ないと思うと返事して先に進みました。
 NIさんが小野には面白いところが沢山あるので案内する、と言っていたのがわかりました。


3小野神社~比良 
 街道沿いに歩き、「和邇」(わに)駅を過ぎ、滋賀県が地元で、県内のほとんどの駅前にあるという平和堂の横を通り、和邇中浜で昼食にしました。
 時間はちょうど12時。NIさんとはここでお別れです。ここから先は高島まで何もなく、コンビニもない、がマキノまで行くと安くておいしい飯屋があるということなので、そこでの再会を約束しました

ここからは、和邇中浜、ほうらい浜、八屋戸浜、松の浦と砂浜が続き、比良の集落の先には雄松崎と、砂浜の湖畔が連続します。
 広々とした湖風景が間地かに見られると期待しながら歩いていくと、砂浜には、比良の山が迫り、湖と湖越しの伊吹山、湖東の山々、鈴鹿の山が一体となった景色は、曇り空の下で水墨画のような風情にあふれた美しいものでした。
 
しかし、なかなか砂浜沿いに歩くことが出来ないのです。私たちは遅れてきた青年だったのか、多くの砂浜は企業の保養所や旅館、さらには地元の子ども会、財産区などのプライベートビーチに細断され、なかなか近づけない状態です。さらに、最近の流行りなのか、水上モータースポーツのボート基地になっているところも多く、11月末にもかかわらず、日曜日の今日は、松の浦の沖で水上バイクが3台、エンジン音をたてて走り回っていました

琵琶湖周航の歌の時代は遠くに行ってしまったのか、という年配者の嘆きが聞こえたのか、ヤギさんが草を食べている畑でおじさんが農作業をしていました。なんだかものすごくほっとした風景でした。

 4比良~近江舞子駅
 
比良の集落を歩いているとき、湖畔をぶらぶらしていたおじさんが、あの三角のとがった山は伊吹山、と教えてくれました。伊吹山は、東海地方の人間がいつも見ている山と全く違った形をしていて、聞かなければわからなかった。ついでオジサンは去年の水害の話を始めてくれました。変わらないところは変わらないなあ、と安心しながら先へ進みました

帰りの電車は湖西線、北陸線、東海道経由でということにしました。そのほうが早いのですが、一時間に一本のダイヤです。11月の末、日没の時間も早いので目的駅を「近江舞子」駅とし、乗車予定車を15時10分位と設定しました。
 楽勝楽勝と鼻歌気分でしたが、水上バイクがいなくなった静かな砂浜と松林、たくさんの鳥たちや霧に煙る伊吹山を見ているうちにぎりぎりの時間となってしまい、15時5分「近江舞子」着15時16分乗車でした。

湖北を回る景色は初めての景観、次回以降が楽しみになりました。18時16分名古屋着でした。

        
 今回のコース 小野駅から近江舞子駅
 
 アトリエで製作中の作品
 
 小野神社と小野家系譜の解説
 
 比良のヤギさん
 
 比良から見た雄松崎.伊吹山方面


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